鼓動

今をさかのぼること、6年前の1997年の穏やかな春に
神田真治と笹倉英司が知り合ったのが、バンド結成のきっかけである。

学生時代と社会人の世界に、大きなギャップを感じ
何か熱くなれるものを探していた二人にとって
ようやく探していた物を手にした気分であった。

 知り合いなどを通じて、ようやくメンバーは4人になるものの
スタジオ練習で1曲コピーをするのがやっとで・・

次第に最初の情熱をうしないかけていた…

 そんな折、初めて人前で演奏する機会を与えて頂いた。
西宮市内の田舎のほうの「かに工房」というプレハブのレストランである。

ほとんどお客さんもいない店、そこが僕たちにとっての最初の舞台であった。

そこの店長が大変、男気のある人で
「人前で演奏するなら、死ぬほど練習しろ!」が
口癖だったことを今もよく覚えている。

僕たちは死ぬほど練習した。つもりだった・・・。

いざ、人前で演奏しだすと頭が真っ白になり、お客さんを楽しませるどころか
そこに立っていることさえが申し訳ない気持ちになり
演奏が終わったときには、悔しくて涙がでた。

 人前で演奏することをなめていた。
これを期に、メンバーは去っていく者と続ける者に分かれた。

また神田と笹倉は二人だけとなり、まともな練習もできないまま時間だけが過ぎた。

がしかし、このままでは終われないという、不確かな
けれどはっきりと感じることができる思いが、僕たちを動かした。

もう一度やろう!そう決めて、次のLIVEの機会は訪れた…

   今までととは、明らかに気持ちは違っていた。お客さんが「来て良かった」 と
思ってもらえるようなLIVEにすることを考えた。

誕生日コーナーやジェット風船の打ち上げ、紙ひこうきの飛ばしあい
最初は無我夢中でいろんなことを試した。

遅くまで、神田の部屋で二人で話しをした。
けれど二人はその時間をはっきり言って楽しんでいた!

   今のメンバーに知り合ったのは、その頃である。
ギターの風見、ベースの薮内、みんなが、それぞれの思いを胸に
「義援体」というバンドを通してひとつの目的に走り出した。

そして、Original曲の完成である。
記念すべき第1曲目「I Can Be」である。